Q.エコカーとは何でしょうか?
A.一般的にはエコノミーでランニングするということです。環境カーともいわれるんですが、弊社でつくるエコカーというのはガソリン
1リットルで何キロ走行できるかという競技に出場するための車ですね。エコランカーですね。
Q.エンジンはガソリンを使うんですか?
A.50ccのオートバイのガソリンエンジンです。それを三輪の上に載せて作ります。一応自立できればいいということになっているん
ですけど、走行抵抗を考えると三輪がいちばんいいんです。
Q.実際に大会の方に出走されて完走されたわけですが、順位は何位だったんですか?
A.正直に言いまして下から二番目だったんですね。そのときエンジンとミッショントラブルがありまして、思うような性能が導けなかっ
たもので。リタイアする組もあるので、完走組としては140番くらいだと思うんですが。リッターで130キロ? 90キロは走
ります。レースに出走したのはその一回だけです。ただ、そのマシンを流用して使って、本田技研さんが二度目のレースに出場して
完走しています。完成度もマシンとして高かった。リッター200キロ近く走ったようですね。当時の予定では250キロ位を予定
していましたので、ドライバーの技術や天候などで微妙なところがかわってきたようです。
Q.今回1リッターあたりどのくらい走ることを目標にしてらっしゃるんですか?
A.今回はエンジンの専門の方に依頼して、500キロをねらっています。
Q.いまプロトタイプ・モデリング・サーブ(旧社名:朝霞工房)さんのほうで出走される予定で作成中のエコランカーの特徴はどういうところにあるのでしょう?
A.基本的には当社の技術、FRPの成形技術を使いまして、カーボンでフルモノコックボディーを作るということと、エンジン部門は
特殊仕様ののアルミを使って、サブフレームとしてエンジンを載せるということです。自転車部品とオリジナルのアルミの加工部品
でいろいろな構造的な機構を作りまして、一台を構築するという計画にしています。
Q.カーボンモノコックボディーというのはカーボンの一体型のボディーということですね。通常は何を材料にして作るんで
すか?
A.通常はカーボンモノコックまでは使わないで、アルミフレームやカーボンのフレームに側(ガワ)をかぶせるというケースが多いで
すね。カバーですね。基本的にはアルミとカーボンですね。強度的なものと重量的なものと考えますとアルミとカーボンは優れてい
ます。
Q.エコランカーのボディーを作るのに普通の鉄を使っているところもあるんですか?
A.ありますね。鉄は材料が安価というのと簡単に溶接ができるので。
Q.モノコックという構造にはどんなメリットがあるんですか?
A.基本的に車というのはフレームとエンジンだけでも走れるんですが、空気抵抗を考えるとどうしてもカウリング、空気を受けるのが
必要になってくるということで、フレーム強度に関係ない重量物を載せなきゃいけないというデメリットがあるんです。そこをモノ
コックにすることによって、フレームと側を共用すると材料一つででできてしまい軽くなるというメリットがうまれます。
Q.そうすると軽いカーボンでさらにその材料、部品を少なくでき、かつ強度を上げることができる。すごい技術ですね
どうしてそういうものができるんですか?
A.長年当社はFRPというものをやってきましたので。蓄積された技術がある上でできるものだと思っております。
Q.今回エコランカーを作る際にアルミフレームは使わないんですか?
A.使います。サブフレームとしてエンジンを載せるところに使用します。本体ボディーを軽くしたいという思いがありまして、
本来ならなんとかカーボンだけで持たせたいのですが安全性を考えまして、アルミのサブフレームの上にエンジンを固定
します。それはカーボンでもできないことはないんです。エンジンを支えるための重量やドライバーの安全性を考えまして、
今回はアルミを使用することにしました。
Q.エコカーのカーボンモノコックボディーを使用して、二輪車のエンジンを使用するわけですよね。エンジンは普通の
エンジンを使うんですか?
A.エンジンはノーマルの状態で燃費がよいといわれるホンダさんのスーパーカブのエンジンを使用します。今回のレースでは、
内部のエンジン構造まで、例えばピストンをいじったり排気量を変更したりというようなことまでは行いませんが、吸気効率や
排気効率、ギア比などを変えて、エンジンを極力いい状態に出せるようにします。
Q.エコランカーに使われる自転車の車輪は競技用の自転車ですね。
A.なるべく細いものを使います。操舵輪に関しては走行抵抗の少なく細い、幅が1インチくらいのロードレーサーなどに
使われる車輪ですね。
Q.エコランカーはどういう手順で作られるんですか?
A.今回弊社で制作するものに関しては、まず、外観的な形状のデザインを決めまして、そこから1分の1という、実際に作るのと
同じスケールの図面をまずおこしまして、発砲ウレタンという素材でカーボン部分にする部分のマスターモデルを作ります。
そこからFRPで型を起こして、カーボンを積層します。それがボディーの部分になります。
エンジンを載せるアルミのサブフレームはそのボディー形状の寸法からでまして、そこからまた図面を引いて、現状あるエン
ジンを載せるということで、エンジンの図面を引いて、ミッション等のレイアウトをすべて設計して決めて、アルミフレーム
の図面を起こして溶接したり切断したりして作っていきます。
Q.それでボディーとアルミができますよね。その後はどうするんですか?
A.今度はそれを一台にくみ上げていきます。エンジンを載せたりタイやをつけて。当然オリジナルの車なので、ハンドルやブレー
キもつけます。一部、流用部品を使いますが、一般部品はあてはまらないので、FRPとかアルミや金属を削り出したりして全
てオリジナルで制作しております。やはりどうしてもブレーキなどの部品が調達できないとまずいので、量産品にある自転車の
部品などを使用しています。
Q.目標的には何番手くらいですか?本選が200台くらいとして。
A.半分くらいはいきたいですね。一番手は1リットルで3000キロ走ってます。上位10番以上は千キロこえています。
そのへんになってくるとエンジンの内部もいじっていますので、今回そこまで対応できるかはわからないんですが、現状
今あるエンジンを効率をあげて、ここまでできるというのを確信してから次のステップに進みたいというのがあります。
個人的にはとりあえず完走できればってのが本心です(笑)。
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